レペゼン社会不適合者

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【KOK 2017決勝の結果考察】GADOROの凄まじい気合!手をはねのけたMOL53!審査に対する批判について

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前回の記事】で紹介した『KING OF KINGS 2017 GRAND CHAMPINSHIP FINAL』が2018年1月12日にZepp DiverCityで開催されました。

いや~凄い戦いでしたね!まさかあんな展開になるとは!これはもうドラマとしか言いようがありません!またMCバトルの歴史に新たな1ページが加わったと言えるのではないでしょうか。

一方、今回の結果に納得できないファンも多数いるようでソーシャル上では軽く炎上を起こしている様ですが、その辺についての考察もしてみたいと思います。

 

 

GADORO 奇跡の2連覇!

まさか本当にガドロが2連覇を達成するなんて誰が想像したでしょうか?前回の記事でも言及したように下馬評ではブランクやMCバトルに懸けるモチベーションが心配されていて、昔の様な気迫を纏ったガドロはもういないのではないかと思っていました。

しかし!!!

こんな心配など一切吹き飛ばすかの様な姿が当日のステージ上にはありました。まさに全盛期のガドロ、いや、過去最高のパフォーマンスと言っても過言ではない鬼気迫るガドロを見る事ができました。

FORKも言っていましたが一回戦のNAIKA MC戦に勝ったのがかなり大きいと思います。この戦いで「やべえ!GDOROマジで取りに来てる!本気だ!」という空気を会場に作りあげました。ワンデイトーナメントはこの『空気』というものがとても、とてもとても大事なんです。

 

『MCバトルに懸けるモチベーション』という事についても訂正しなければなりません。よくよく考えればkok出場に関して誰よりもガドロが一番失うものが大きくリスクがありました。それは彼がディフェンディングチャンピオンだからです。

ガドロは予選に一切出場しておらず前回王者枠でこの決勝にエントリーされたと思うのですが、2017年はMCバトルから引退し音源制作中心の活動方針に移行する事を決めており、kok決勝出場の打診はかなりの葛藤があった事が予想されます

出場しなければ『逃げた』と言われ、出場すれば『お飾りだ』と言われる。そんな中、彼はリスクを背負って出場という選択に踏み切りました。

 

MCバトルといえどステージ上の姿はアーティストの歴史として一生残ります。今はネットがありますしDVDも発売されますからそれは自分の作品として今後残り続けるわけです。

ディフェンディングチャンピオンとして大会に出場する事は、GADOROにとって活動に逆行する選択であり明らかにデメリットの方が多いのですが、この修羅場を最高の形で乗り越えたガドロに心からリスペクトを送ります!おめでとうGADORO!!

 

 

ドラマティックな展開

また、GADOROが優勝する過程も非常にドラマティックでした。下馬評を覆し曲者NAIKA MCを倒し、優勝候補BASEも倒し、「いよいよこれはまさかもあるんじゃないか?」という空気が流れ始めます。

そして準決勝、2016年のフリースタイルダンジョン年末特番でのSIMON JAP戦から一年、勝ち上がった2人が再戦したこのバトルは今後MCバトルの歴史に残るとんでもないバトルとなりました。

GADOROの SIMON JAPに対する1年越しのアンサーは鳥肌が立ち、本当に感極まりました。

 

そしてこの戦いを制して決勝で因縁のMOL53と決着という奇跡!!!まさにメイクドラマ。ここでも何と再再再延長までもつれ込む両者一歩も引かない展開には驚愕です。この歴史の1ページをリアルタイムで見れた事に感謝します。

 

 

手をはねのけたMOL53

バトル引退で今後2度とステージ上で会話する事はないライバル2人の最後のやり取りは非常に切なくもあり、そしてHIPHOPでした。

犬猿の仲であるこの2人。GADOROはMOL53に自ら歩み寄る一幕がありました。まず試合前ガドロはMOL53に対し拳を差し出します(グータッチの様な感じ)。しかしMOL53はこれをスルー。

バトル中もガドロは「これで本当に最後だ。韻とかどうでもいいから最後お前と会話したい。」と心を開いてコンタクトを投げかけます。

 

しかしMOL53は「お前と話す事なんてねえ」と目を合わさずに会話を拒否。全バース終始一貫してガドロを全否定。ガドロを認め受け入れるスタンスは一切見せませんでした。

まったく心を開かないMOL53に対しGADOROも「それならお前には中指を立てるわ」と2人が打ち解ける事はなくまさに主張は水と油です。第3者から見ても双方の意見は両方納得できるのもので各々に正義があるのですが、最後まで2人の心は一切通じ合う事はありませんでした。

マンガや映画ならここでライバル同士が最後お互いを理解し合って・・・という展開なんでしょうけどね。ここがなんともリアルでHIPHOPですし、切なくもあり感慨深くもあります。

犬猿の仲というイメージ通り、2人はもう『生き方』という物差し自体まったく別の基準で動いているという事を体現したバトルでした。

 

 

審査に対する批判

決勝の審査について軽く炎上騒ぎになっているようですね。今回の結果を受けZEEBRAのツイッターも軽く荒れているようです。その内容は判定のジャッジ内容についてですね。

まず決勝で審査員のZEEBRA・漢 a.k.a. GAMIが延長戦含め全てGADOROに挙げている事から運営側の贔屓があったのではないかという点。

ダンジョンの晋平太戦でもそうでしたが、こういった感じでドラマ的に出来すぎた展開になるとどうしても陰謀論が浮上してしまいますね。

 

自分はGADOROもMOL53もかなり好きなのでわりかしフラットな目線で見る事ができた方かと思いますが、個人的には見ていてジャッジに違和感はありませんでした。決勝での2人の意見は両方とも筋が通っていたので、あとはどの部分にポイントを付けるのかは審査員の判断です。

以前の記事で言及していますがMCバトルというのは他のスポーツでいう『点数』『タイム』の様に機械的に勝敗を判定できません。「どちらが良いか?」は全て観客、審査員の感覚に委ねられるという事です。

ラップが互角の場合、あとはその審査員それぞれの考え方などが反映される部分もありますし、仮に漢やジブラが無意識化で「GADOROを勝たせたい」という部分があったとしてもそのプロップス含めガドロの実力だと思います。

審査員は全員リアルなラッパーですから、最初から贔屓してGADOROに評を上げていることは絶対にないと断言します。迷って迷って、上記の様な部分が無意識化で最後の一押しになっている部分はあるかもしれませんが、GADOROが『作られたヒーロー』ではない事は確かです。彼は正真正銘の2連覇王者です。

 

もう1つは司会のMasterの観客判定4本連続ドローはおかしい。1本目2本目は迷ってドロー判定だったのに3本目4本目は適当だったという点について。これに関しても自分は全く問題ないと思っています。

まず見ていて感じたのは、あれは何本やろうが両者の観客の歓声は変わらないと思った事です。観客席こそ「最初からMOL53に挙げる事を決めている人、GADOROに挙げる事を決めている人」の意志は変わらないのだと。

 

どっちかが明らかなミスをしたり言い負かされる印象を与えていたのなら傾くかもしれませんが、あの試合は完全に一進一退の互角の攻防だったので4本ともMOL53ファンは53に、ガドラーはガドロに歓声を上げていた印象です。

 

擁護する訳ではないですが司会のMasterも「何度やっても変わらない」というMOLファン、ガドロファンの意見を汲み取って3,4本目は即決でドロー判定したのかと思いました。実際本当に判定できない位会場の歓声は割れていたと思います。

 

この辺はラッパー兼YOUTUBERの2-eightさんが漫才のM-1に例えて分かりやすい解説をしていたのでチェックしてみて下さい。

 

 

素晴らしい大会だった

『KING OF KINGS 2017 GRAND CHAMPINSHIP FINAL』はとてもとても素晴らしい大会だったと思います。一応ここで2017年のMCバトルシリーズは一区切りとなりますね。

2017年度いっぱいで引退するメンバーなどを見ているとこの2017年ー2018年で世代的にも一区切りされてMCバトルシーンも新たな時代に入って行くような気がします。これからもどんなドラマがあるのか楽しみです。

バトルに限らずですが、今後も日本のHIPHOPシーンが盛り上がってくれることを願います。とりあえずkok2017は最高の大会でした!